炊き立てご飯と田舎みそ

3歳のおしゃまなマル子と、最近生まれたポン太郎の母であり、医療系の専門職。子育ての話や専門職目線の話などを綴っています。

みのりのあきです

食欲の秋、実りの秋ですね。

秋というというと、私はお米ももちろんですが、果物を想像します。

アレルギーがあってなかなか食べられないこともあるのですが、

実は果物が大好きで食べられる果物は買い込んでしまいます。

でも、この果物たち、高齢者や子どもなど食べる能力が弱い人にはどうなのでしょう?

その疑問に、少しだけお答えします。

果物を安心&安全に楽しもう
まず、疑問に思われるかもしれません。
「そもそも果物って、口当たりもいいし食べやすいよね?」

まぁ、そういうイメージなんですけどね。
でも、本当は食べにくいandちょっと危険なものもあるんです。
専門的にみてみると。

①秋の定番、梨
梨、美味しいですよね。我が家でも人気があります。
種類にもよりますが、シャリッとしっかりした歯ごたえが特徴です。
まず入れ歯の方は、しっかりフィッティングしていないと噛めません。
小さく刻むと、もっと噛みにくいので注意してください。
一口大(2cm四方くらいかな?)に切って、ゆっくり噛みましょう。
果汁も多いので、水分でむせやすい人は一気に口に入れないようにしましょう。

②季節限定の味、いちじく
いちじくは果汁もジュワッとせず、ねっとりした食感なので食べやすいです。
ヘタのところから出てくる白い粘液は、触ると痒くなるので注意しましょう。

③今年は当たり年、ぶどう
ぶどう、当たり年らしいですね。そろそろ旬も終わりですか。
今年はナガノパープルという品種と出会ってしまい、大変感動しました。
まず、ぶどうは皮を剥く品種か剥かない品種かで変わってきます。
もちろんですが、皮が無い方が食べやすいです。
それから、巨峰やマスカットのような大型のぶどうは、半分にカットしましょう。
子どもの窒息事故の原因で、ぶどうやプチトマトは意外にも上位に来ています。
丸い形状でツルンと喉に入ってしまうので、気をつけましょう。
また果汁も多い果物ですから、液体でむせやすい場合には小さめ一口を心がけてください。

④これからが旬、みかん
これはもう少し先ですが、どうしても書きたかったので入れました。
みかんはお手軽で食べやすく、値段もあまり高く無いので、秋から冬にはよく食べますよね。
高齢の方にも人気があると思います。
でも、このみかん、嚥下的には結構要注意です。
酸味と、袋から飛び出す果汁が原因で、とてもむせやすい食材です。
また、酸性も高いので誤嚥すると刺激が強いので気をつけたいですね。
あまり積極的にお勧めしませんが、
なるべく薄皮が柔らかいものを選ぶ、もしくは薄皮を取ってしまうのがおススメです。
ジュワッと飛び出す果汁と、薄皮の硬さが口の中でなるべく分裂しないのが理想です。

 

食べるときの注意点

食物の食べやすさを判断する時、硬さや形状はもちろん気にすると思いますが、
その構成にも注意をしてもらうと良いと思います。
例えば、先出したぶどうは、
皮、果肉、果汁、(最近は少ないけど、種)とそれぞれ食感が異なります。
形態が違えば、口の中で広がる速度や形質も変わるので、
口の機能が衰えるとそれらを上手にまとめて、一緒くたに移動させるのが難しいのです。

一緒くたと表現しましたが、
当然液体と固体は、坂道に転がした時に転がる速さが違います。
口の中でも水分は先に喉へ流れ込みます。
口の中で果肉や皮を咀嚼しながら、水分だけ先に飲み込むという複雑作業。
ゆっくり食べながら感じていただくと、繊細な作業をあなたの口〜喉はしています。
ですから、構成する要素が少ないほど口の中での作業は簡単になり、
安全に食べやすくなるのです。

少しややこしい話をしました。
もしご理解いただければ、活用していただけると幸いです。