炊き立てご飯と田舎みそ

3歳のおしゃまなマル子と、最近生まれたポン太郎の母であり、医療系の専門職。子育ての話や専門職目線の話などを綴っています。

里帰り出産のいいとこ、よくないとこ

今年の夏に、2人目を出産する予定です。

ポン太郎、まもなく里帰り出産です。

 

まる子の時は、ためらうことなく里帰り出産を選びました。

理由は二つ。

⑴夫の出張が多くて、産後のイメージができない

⑵結婚を機に田舎を遠く離れているので、実家に帰るいい機会になる

安直ですが里帰りが普通なのかな、という気持ちでした。

実際の里帰り出産はイメージと違った

里帰り先で分娩予約をした病院は、34週で受診して欲しいと言われました。

そのようなわけで、法定の「出産予定日6週前」まで仕事をして、

すぐに荷物をまとめて実家へ帰ることになりました。

 

ちなみに実家までは、新幹線をつかって5時間くらいの距離です。

結構元気な妊婦だったので、それほど移動は辛くありませんでした。

 

実家に帰ってしばらくしてから、コレは…と感じ始めました。

とにかく、移動が自由にできない。

(田舎なので何かあってもタクシーもすぐには来ない)

それから、両親は共働きを継続していたので、さほど頼れない。

両親の生活が確立されているので、家事なども好き勝手できない。

 

まず移動ですが、実家に自動車は2台ありましたが両親が使っています。

健診は前もって母に日にちを伝え、仕事の時間と調整をしてくれましたが、

それ以外は完全に徒歩圏内の生活。

徒歩圏内も自宅の周辺とは違い、しばらく歩かないとコンビニもない。

身の回りの物(化粧品など)がなくなっても、買いに行くのも一苦労。

 

また、両親は「サポートするよ!帰っておいで!」と

かなりウェルカムな雰囲気だった割には、産後も共働き。

特に父は新生児がいても生活ペースを変えてくれるつもりはなく、

眠そうにぐずっているのに、テレビは音量ガンガンで…

でも沐浴は「俺の仕事」とやりたがる。

でもテレビのついた部屋でするので、時々目線がテレビに行って手が止まる。

1人目出産後の超ガルガル期の私は不安でいらいら。

でもイライラを見せるとキレる父なので、ものすごく気を遣いました。

 

母についても、家事をしてもらえることは助かりましたが、

ペットを飼っているのでその毛が気になったり(親は老眼で見えていない)

結局日中は一人で新生児のお世話をしている状況は変わらず、

部屋の掃除もすると「しなくていい」と叱られるのですが、

やっぱりペットの毛が気になって、しかし伝えても理解されず。

ゲッソリ。

 

夫は一人前家事ができるひとなので、

出張さえなければ自宅にいた方が精神的に楽だった…としみじみ。

親子の仲がモノをいうと感じた

先に断っておきますが、両親のことは好きです。

でも里帰り出産と、その後の子育てなどを通して、微毒だと認識しています。

毒親

 

父の性格は、一言で短気です。沸点が低く、すぐにキレる。

本人は面白がりながら、相手の外見をバカにしたりします。

言われている側が不快に思って怒ると茶化し、さらに怒ると逆ギレします。

物知りで面白い所もありますが、目下の者に対して横暴です。

 

母は可愛くてお茶目です。

でも一言多く、相手の気持ちを慮れないところがあります。

「自分なら〜と思う」と自分基準が強いので、

そういういわゆる「空気を読む」ということができません。

その割には気を遣う性格で、大事なことをギリギリまで言わなかったりします。

 

これまでにも書いていますが、外見内面、どちらもよくけなされました。

小さい頃はそれに強く反発をして、結果「お前が悪い」と言われてきました。

外見をバカにするのは「それを本気で可愛いと思っている」と言われてきたけど、

今でもしっかり心の傷になっています。

夫は「外見も含めて好きになったよ」「いつも可愛いよ」と言ってくれるけれど、

嬉しい反面、夫の美的センスがないのでは…?と疑うほど自信がありません。

 

就職して一人暮らしをして、実家から自動車で1時間くらいの距離になり、

喧嘩などをすることはなくなり、わだかまりも小さくなっていました。

1時間って丁度良い距離で、月に1回程度帰るのに苦はないし、

かといってしょっちゅう帰らなくても許されるくらいに遠い。

精神的にも、物理的にも丁度良い距離感だったのだと思います。

喧嘩しなかったのも、いい距離のお陰で余裕ができていたのだとわかります。

 

そのまま結婚したので、

「子どもの頃のわたしの気持ちをわかってくれなかった両親」

の残像は残しつつも、

「わたしを大事に思ってくれて帰れば優しく世話をしてくれて、暖かい両親」

の方が大きくクローズアップさていました。

ちなみに、この二つの両親像はどちらも本物です。

どちらもわたしの作った虚構ではないから、余計に付き合いにくいのです。

 

そのような親子関係なので、里帰り出産はなかなか辛いものでした。

キレやすく自分のペースをほとんど変えない父に、言いたいことも言えず。

土日は外出がデフォな人なので、赤ちゃんがいても母を連れて外出。

結局、里帰り中とはいえほとんどの日中はまる子と二人でした。

 

産後のお母さんはきっとわかると思いますが、

その時期に辛いのは子どもが泣くことではなくて、大人がいないことです。

どうしたって引きこもり生活を余儀なくされるなか、話し相手になる大人がいない。

夜には両親がいますが、リビングでは父はテレビを見ていて会話できないし、

母は家事やペットの世話などでせわしないのでやはりゆっくりは話せない。

はじめての育児で心配なことも、

「そんなことよくある」とか昔の民間療法みたいにことを教えられて、

病院に行くことだって自分とまる子のペースではできない。

 

わたしはまる子が赤ちゃんだった頃のことを思い出すと、

幸せな気持ちより辛かった記憶やしんどかった記憶ばかりです。

当時の育児日記は幸せにあふれているけれど、むしろ自分を鼓舞するための内容。

日記に幸せなことを書いて「わたし幸せ!」と言い聞かせていた。

 

その理由をわたしはずっと「短気な自分」と「泣き声の大きいまる子」 

という2点においてしまっていたのですが、

昨年あまりの辛さにカウンセリングをうけて、生活のせいだったと気づきました。

「いい大人が、自分の今の苦しさを親のせいにするなんて」

と、自分の中の気持ちを否定して今まで来たけれど、

 

「それは受け入れて、認める。

親は万能ではないし、愛してくれていることも事実だけれど、傷つけられていることも事実」

 

と、カウンセラーの方に言われて刮目しました。

そして今のわたしにとって大切なのは、夫と娘だということも改めて認識しました。

そしてやっと母にも、

「可愛いと思っていても、子どものわたしは傷ついた。

ずっとずっと辛かった。両親のような子育てはわたしはしたくない」

と伝えることができました。母を泣かせたけれど、仕方がない。

 

母との関係は少し改善したけれど、今でも

「まる子ちゃんは頑固で育てにくそう」なんてことを平気で言います。

「そんなことないよ、めっちゃいい子だよ」とすかさず返します。

60年やってきた性格は、今更治らない。

だからわたしは、絶対に両親に何を言われても子どもたちをフォローします。

両親の世代に多い、謙遜のつもりで身内を卑下するようなことは大嫌いです。

それでもまた、里帰りを選んだわけ

本当は帰らないつもりでしたが、あまりにも実家が遠いので、帰ります。

というのも、里帰りをやめると前回の帰省から1年半は帰れないためです。

つわりや切迫流産などで、年末年始などの帰省をしていないので、

ぽん太郎が5時間の移動に耐えられる生後半年以降の帰省だと、最短で翌冬。

両親はともかく、祖母にはどうしてもぽん太郎を見てほしい気持ちがあります。

わたしだって、祖母に会いたい。

今を逃して、もし後悔することになったら…

縁起でもないけれど、これは本当に大切なことだと思うのです。

 

だからこそ、今回は準備をきっちり。

荷物の準備も、自分の心の準備もきっちり整えて。

まる子のためにもなるべくストレスを溜めないようにして。

それから、産後には夫も実家でしばらく過ごしてもらうことにして。

前回とは少し環境も変わっているし、わたしも母として強くなったし。

 

色々事情は家ごとにあると思いますが、いいところ悪いところ、それぞれあります。

いいところあんまり書いてないけど、やっぱり育児の先輩には違いなく、

また、何かあっても親のいる時間ならなんとかなる、という安心感はあります。

丁度良い関係性がこれから築けていけるように模索中です。